夏の催事情報

小石川 淑徳学園

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俳句会:作品集(令和6年1月~)

2024.12.26

12月

座標から素数をこぼす寒の月

一井 魁仙

風花の羽化するはずの火の匂い

山本 敏倖

冬銀河遠くへ帰る点灯夫

山本 和子

凍蝶はやがて月夜に溶けにけり

新倉 村蛙

冬ざれやゆっくり喋る嘘の数

秋庭 菊枝

年用意神保町を一巡す

二村 吉光

鉛筆の文字濃く残る師走かな

渋谷 かや

天鵞絨のマフラーくるむ棘ひとつ

西 乙子

いさかいも嘆きもリセット暦買う

加藤 なほこ

凍星やもっとも近く背伸びする

栗原 むつ子

寝不足をあざ笑うがごと冬薔薇

小林 薫

頬と頬つけて添い寝や月凍つる

舟田 優江

冬浜や流れて消えし二人の文字

富岡 隆一

11月

死火山の裾が沸騰花芒

一井 魁仙

昨日とは違う少年星流る

山本 和子

冬薔薇や薄くて重き診断書

国藤 習水

冬帽の内側に有る母の文字

秋庭 菊枝

森野バス停カアと従妹柄木の実降る

栗原 むつ子

ビル跡の明るく背高泡立草

渋谷 かや

抗いの音辞書になく霜柱

加藤 なほこ

行く末を冬蒲公英に訊いてみる

小林 薫

冬の夜や「釣りバカ日誌」また笑ふ

富岡 隆一

電柱が影絵のようなり冬茜

舟田 優江

プリンタが垂らす白紙や冬日向

田中 雅浩

立冬や息深くヨガ四つん這ひ

西 乙子

10月

花野ゆくことばの杖を道連れに

一井 魁仙

木犀に駐車禁止の札下る

国藤 習水

アルバムの背表紙撫でて星月夜

秋庭 菊枝

良夜には良夜の顏をして坐る

山本 和子

名画座や誰に逢いゆく秋の暮

田中 雅浩

銀箔の剝がれ跡ある今日の月

西 乙子

秋の蚊の紅斑きつく残しけり

渋谷 かや

坂上がりマスクをはずす秋の風

舟田 優江

ジョギングの足緩めさす金木犀

小林 薫

あやかしのろうそく揺らす神無月

加藤 なほこ

神経の誤作動という月に雲

栗原 むつ子

秋戦カツカレー食む議員かな

富岡 隆一

9月

細胞が生まれ変わって水の秋

一井 魁仙

虫時雨村はゆっくり赤くなる

山本 和子

稲妻や色奪はるる観覧車

西 乙子

鶏頭としてだれか待つ五十年

新倉 村蛙

黄やんまを目で追う今朝は六度五分

國藤 習水

振り上げた拳のゆくえ鰯雲

加藤 なほこ

鬼灯や乗客ふたりの夜のバス

秋庭 菊枝

大花野孤独へ進む老の道

富岡 隆一

笑顔待つ紫式部の揺れる店

小林 薫

盆の月夫の寝息はシーパップ

染谷 洋子

雷鳴を怖がりすがる子の鼓動

舟田 優江

8月

背表紙を焦がす西日や忘れ潮

一井 魁仙

炎昼や句会の席まで坂二つ

田中 雅浩

たっぷりと暮れて夕餉の茄子の色

栗原 むつ子

川の字の真中は母蚊帳くぐる

山本 和子

アメダスのうそつき藍の初浴衣

田中 今日子

蜩や一棟現地販売会

渋谷 かや

めまいして酷暑日しまう玉手箱

加藤 なほこ

羅や風を孕んで九段坂

秋庭 菊枝

祭酒二割増したる男臭

西 乙子

曼珠沙華水走る火ぞ忘れまじ

富岡 隆一

炎熱やこれが地獄でなくて何?

小林 薫

カップルの足取り軽し祇園囃子

染谷 洋子

7月

水色の時が煮詰まる旱星

一井 魁仙

いろはすの蓋は黄緑夏来たる

山本 和子

急行の夜の車窓に金魚浮く

新倉 村蛙

沖縄忌風に転がるビール缶

田中 雅浩

茄子漬ける夫婦同姓日本だけ

秋庭 菊枝

西瓜食む緯線経線知らぬ子ら

加藤 なほこ

目薬や一斉に満つ蝉時雨

西 乙子

大金星歓喜にドームとビール揺れ

小林 薫

色つきの煙火にむせて花火の夜

渋谷 かや

姫路城駅そば食みし浴衣の日

富岡 隆一

6月

父の日や昭和の父は夜行性

一井 魁仙

父の日や顔認証の扉(ドア)開かず

田中 雅浩

ピンポンの音の外れて走り梅雨

国藤 習水

寝落ちする子猫の腹や合歓の花

秋庭 菊枝

陶器市ふらりとのぞく芒種かな

山本 和子

家ごとに小さき橋や清水湧く

田中 今日子

炭酸水よわく産毛を弾きけり

西 乙子

目の前で蝶に羽化してからのこと

栗原 むつ子

ラタトゥイユ茄子を多めにワタシ風

小林 薫

父の日や「ちゃん」と呼び合う喜寿二人

加藤 なほこ

父の日に選んだネクタイパンダ柄

染谷 洋子

茅葺屋根の丸く侘びたる青紅葉

渋谷 かや

5月

しゃぼん玉黄泉の手前で風になる

一井 魁仙

新樹光第二期募集樹木葬

渋谷 洋子

姐さんとまた呼ばれたし夏椿

秋庭 菊枝

風薫るこんな近くにカンパネラ

山本 和子

「マクベス」の七五調めく薄暑かな

国藤 習水

実桜や名だけが残る富士見坂

田中 雅浩

病床の母に多めのカーネーション

小林 薫

原罪は薔薇黙殺の刑に処す

西 乙子

幸せの尺度を語るこいのぼり

加藤 なほこ

4月

半身はこの世に残し陽炎へり

一井 魁仙

春風をツバメノートに書き留める

山本 和子

花筏二人の歩幅揃い出す

田中 今日子

葉桜や生きのびて恥増えていく

田中 雅浩

つちふるや脳が溶け出す日曜日

秋庭 菊枝

口開く浅蜊につられ笑う父

小林 薫

寄港先定まらぬまま花筏

加藤 なほこ

一閃の笛に斬られる薪能

西 乙子

夜の躑躅もっとも青き香のしたり

渋谷 洋子

落花飛花童の顏でチョコバナナ

栗原 むつ子

桃色だから買ってしまったゼラニウム

国藤 習水

2月

絵本から薄化粧して地虫出づ

一井 魁仙

春の雪かつて帝都に戒厳令

田中 雅浩

熱の子の二重まぶたや春の雪

田中 今日子

グラシン紙ほどの温さや待雪草

栗原 むつ子

涅槃図の中には居らぬ女かな

新倉 村蛙

春の夕あはせ鏡に別の顏

西 乙子

風花や夫の尾っぽが揺れている

秋庭 菊枝

春の雪添付ファイルの保存先

国藤 習水

節分や納戸に来る訳忘れ

加藤 なほこ

胸中も吹き荒れてをり春一番

小林 薫

民衆の目線に被す春の泥

山本 和子

1月

寒晴れの青の向うは能登半島

一井 魁仙

はつ夢の米研ぐ母の背中かな

秋庭 菊枝

松明けて奥能登の塩門に盛り

山本 和子

墨の香は友の服より春隣

新倉 村蛙

レモンの木二人で植えて淑気かな

栗原 むつ子

神仏を辞典に問うや能登の冬

二村 吉光

大寒やペン先からもしんしんと

小林 薫

ハスキーな爺ちゃんの声鬼やらひ

西島 晃彦

雪の湯の猿と言葉を交はしたし

西島 信子

盆栽の針金ほどき春を待つ

金澤 直子

地下鉄の小さきモニター雪催

渋谷 洋子

売り切りの声する方へ大晦日

国藤 習水

花ばさみ靴重くする春の泥

西 乙子

ジャンプでもタッチ叶わず注連縄や

加藤 なほこ

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